日本酒の賞味期限と保存方法~未開封・開封後の目安と活用法~

日本酒の賞味期限と保存方法~未開封・開封後の目安と活用法~


日本酒を楽しむうえで気を付けたいのが、賞味期限と保存方法です。日本酒には製造年月しか書いておらず、保存方法も何がベストなのかわからず頭を悩ませていませんか?

この記事では、日本酒における賞味期限や未開封と開封後の保存方法、飲む目安、飲む以外の活用法に関して解説します。美味しく飲める期限を把握し、初心者でもできる保存方法を実践して日本酒をより楽しみましょう。

目次

 「日本酒には賞味期限がない」は本当?

 

賞味期限

 

賞味期限がないのは本当です。日本酒は食品表示基準第3条3項により、賞味期限や消費期限を省略することが可能。ラベルなどに賞味期限や消費期限を表示する義務はありません。日本酒はアルコールの殺菌効果により、お酒の中では菌が繁殖できず腐りづらいため、長期間に渡って保存ができるからです。

日本酒や一部のお酒は食品表示法により賞味期限の表示義務が免除されている代わりに、製造年月の記載が義務付けられています。製造年月とは、お酒が容器に詰められた日を示し、賞味期限の代わりに記載されているため、飲む際の期限の目安にしましょう。


美味しく飲みたいなら製造年月より約1年が目安(未開封の場合)

 

日本酒

 

一般的な日本酒(※)が美味しく飲める期間の目安は、次の通り。

  • 未開封:製造年月からおよそ1年
  • 開封したもの:1週間以内に飲み切る

(※一般的な日本酒とは「火入れ」と呼ばれる加熱処理を2回行ったもの)


日本酒は開封すると、味が変化していくお酒。健康面では時間が経過しても問題なく飲めますが、日本酒は熟成が進んでいくため開封後から味わいが変化していきます。その銘柄本来の味わいを楽しみたいのであれば、1週間以内に飲み切るようにしましょう。日本酒における味わいの変化を楽しみたい場合は、保存方法に配慮しつつ時間をかけて消費していくと良いでしょう。


日本酒の保存方法のポイント

 

保存,保管,冷蔵庫

 

開封した後の日本酒はしっかりと栓をしても空気に触れるため、3〜5日で味わいが変化していきます。しかし、すぐに飲むことができなかったり、開封後に飲み切らず余らせたりしてしまうこともあるでしょう。すぐに飲み切れない日本酒は味ができるだけ変化しないよう、しっかりと保存することが、美味しく飲むうえで重要なポイントです。

できるだけ味が変化しない日本酒の保存方法を、開封前と開封後で解説します。

 

開封前

 

暗くて涼しい部屋で保管

 

冷酒で楽しむ以外の使い方や、売り場で常温の棚に陳列されていた日本酒については、日の当たらない部屋で保存しても問題ありません。なぜなら、日本酒は光に敏感であり、紫外線にさらされると品質が劣化します。また、温度変化にも弱いため、高温の場所で保存すると、いわゆる『老香(ひねか)』と呼ばれる特有の匂いが発生する可能性があるため、慎重に保管する必要があります。

常温でも問題ない日本酒は、25℃以下で光が当たらない暗く涼しい部屋で保管しましょう。


箱に入れたり、新聞紙で包む

 

紫外線に弱く光の影響を受けやすい日本酒は、箱に入れるか新聞紙に包んだ状態で保管しておきましょう。日本酒は直射日光だけでなく家の中の照明でも味や香りに影響が及びます。例えば冷蔵庫に入れて保管する際も箱や新聞紙に包んでおけば、扉を開けた時に差し込む光からも防げます。

ただし、日本酒のラベルに保存方法の記載がある際は、そちらを優先させましょう。


開封後

 

冷蔵庫に立てて(縦置き)保存

 

開封後の日本酒は冷蔵庫に立てて、縦置きにて保存してください。日本酒は横に寝かせておくとお酒自体が空気に触れる面が多くなり、酸化が進みます。

開封後の日本酒は空気に触れ酸化が進みますが、酸化は一概に悪いことではありません。場合によっては空気に触れることで旨みが増すだけでなく、穏やかな風味に変化するものもあります。


冷蔵庫で保存できないときは暗くて涼しい部屋へ

 

紫外線や高温に影響されやすい日本酒は、開封後は冷蔵庫で保存するのが最適です。

日本酒は栓を開けると空気が入り、酸化が始まるもの。色合いや酸味に変化をもたらす酸化は、日本酒も例外ではありません。開封後はどうしても空気に触れてしまいますが、冷蔵庫に保存することで酸化を遅らせることができます。

もし瓶が大きい場合や、食品が詰まって冷蔵庫に入れられない場合は、開封前と同様になるべく涼しく紫外線の当たりにくい部屋にて保管しましょう。


飲めるか心配なときに確認したい劣化のサイン

日本酒

 

度数の高いアルコールが含まれている日本酒は、アルコールの殺菌作用により腐敗しません。そのため劣化=腐敗ではなく、味わいが変化する「酸化」と捉えるのが適切です。

日本酒の酸化は体に害を及ぼす心配はありませんが、「本来の味わいを楽しむ」ということはできなくなるため、注意しましょう。以下、日本酒の劣化となるサインについて、香り・見た目・味わいの3つの観点から解説していきます。

 


香りの変化

日本酒における劣化のサインの一つに、香りの変化が挙げられます。開封したばかりの日本酒は匂いに問題がなく、種類によっては芳しい香りやお米の香りなど良い匂いが楽しめるでしょう。そんな日本酒から好い香りがせず、鼻にツンと来るような酸っぱい匂いがする場合は、酸化が進んでいる可能性が高いです。酸っぱい匂いがする日本酒は飲めないことはなく、飲んでも体に影響はありません。ただし日本酒本来の香りとは異なるため、飲む際は注意しましょう。


見た目、色の変化

 

購入したばかりの日本酒は「清酒」と呼ばれているだけあって、透明で綺麗な色合いです。

長期間保存をしていると、色合いは黄色や茶色に変化するのが日本酒。その理由は、紫外線や熱が日本酒に含まれているアミノ酸に反応し、変色するためです。

見た目や色合いが変化した日本酒も問題なく飲むことができますが、もし不快な臭いがした場合は紫外線の影響を受けていたり酸化が進んでいたりします。不快な臭いを感じた際は、飲むのを避けるのが無難です。


味わいの変化

 

日本酒は時間の経過や保存方法により、徐々に味わいが変化していくお酒。特に開封後であれば、味わいの変化は顕著です。

変化は悪いことだけではなく、熟成されることで深いコクが生まれるなどプラスの変化もあります。とはいえ日本酒を口に含んだ際、舌に引っ付くような苦味・酸味を感じた場合は、日本酒が古くなってきている兆候です。空気に触れると酸化が始まる日本酒ですが、酸化が特に進んでいくと苦味や辛味が強く感じます。

味わいが変化しても飲めないことはないないものの、苦味や酸味を感じた際は無理をせず飲むのを控えましょう。


古くなった日本酒の活用術

 

活用,米

 

賞味期限がないとはいえ、日本酒は時間が経つと味わいや香りが変化していくお酒です。

古くなった日本酒は飲まなくても、「捨てるのが勿体ない!」と考える方は発想を変えて、別の方法で活用しましょう。古くなった日本酒で試して欲しいおすすめの活用術を3つ、ピックアップしました。


料理酒として活用する

 

料理酒はお米と米麹、食塩といった原料で作られた料理専用の調味料。日本酒はお米と米麹、水といった原料で作られており、料理酒の原料と非常に近いため料理酒の代わりにも使用できます。料理に使う場合は熱を加えるため、日本酒の味や色合いが少し変化していても活用自体に支障はありません。

日本酒は料理酒同様に食材の臭み消しや食材をふっくらと仕上げたり、風味をプラスしたりできる優れもの。料理酒とは異なり塩分が含まれておらず、塩分が気になる時の調味料としても打ってつけです。料理酒よりもアミノ酸が豊富な日本酒を料理に取り入れることで、通常の料理を一段と向上させることができます。


ご飯を炊くときに使用する

 

古くなった日本酒は、ご飯を炊く際に活用できます。ご飯に混ぜて炊くことで、炊きあがったご飯がより甘く、ふっくらとして一層美味しく仕上がります。

日本酒を入れるとご飯が美味しくなる理由は、日本酒に含まれているアルコールが作用するからです。アルコールによりお米の細胞に含まれているでんぷんやタンパク質といった成分の溶出を防ぎ、成分をそのままキープ。炊き上がりがふっくらとするだけでなく、形も崩れません。

なお日本酒を入れてご飯を炊く際は、お米200gに対して日本酒を小さじ1〜2杯加えるようにしましょう。ただし、ご飯を炊く際に日本酒を使用する際には、色や香りが変わったものは使用を避けるのが賢明です。

匂いが気になるお米にも、日本酒を加えましょう。日本酒により独特の匂いが抑えられつつ、艶がアップします。また冷凍ごはんをレンジで解凍する際も、日本酒はおすすめです。茶碗一杯分につき小さじ一杯かけて加熱することで、美味しく召し上がれます。


美容に活用する

 

古くなった日本酒は食だけでなく、美容に使うこともできます。日本酒は美肌効果にも期待できるため、古くなった日本酒はお風呂の入浴剤や化粧水として使うのも良いでしょう。日本酒が美肌に嬉しい理由は、麹菌による発酵で得られたアミノ酸がたっぷり含まれており、さらにアンチエイジング効果が期待可能なフェルラ酸という成分が含まれているからです。

入浴剤として利用する際には、コップ一杯を湯船に加えるのが適切です。これにより、肌の保湿効果が期待できるだけでなく、華やかな香りがリラックスをもたらし、ほっと一息つくことができます。さらに、日本酒には血流を改善する成分であるアデノシンが豊富に含まれており、寒い季節にも特に効果的です。

化粧水として利用する際は、水で薄めて使用しましょう。化粧水として使うのなら、純米酒がぴったり。お米だけを使っており余分なものが入っていないため、化粧水として使いやすいです。ただし初めて利用する際や肌が弱い方は、前もってパッチテストを行いましょう。


焼酎やワインの賞味期限も同様?

 

焼酎とワインは日本酒同様に賞味期限が設けられていません。

 

▼焼酎

焼酎は醸造酒を蒸留して製造された蒸留酒であり、細菌のエサとなる不純物は蒸留の段階で取り除かれています。焼酎におけるアルコール度数は、20〜45度。アルコールに弱い細菌は10度未満でなくては生存できないため、度数が高く品質劣化の心配が少ない焼酎には賞味期限を設ける必要がありません。

開封後も消費期限がありませんが、安全面を考えれば1年以内で飲み終えることをおすすめします。冷暗所にて保管し、開封前も後も同じく瓶を立てておきましょう。空気に触れる面が少なくなり、酸化を抑えることができます。

 

▼ワイン

日本酒と同じく醸造酒となるワインは、ボトルに入れてからも熟成が進み、香りと味が変化していくお酒です。そのため食品衛生法上にて賞味期限の表示が必要ないとされており、国産・海外産ともに賞味期限の記載がありません。

賞味期限のないワインは、「飲み頃」と表現されることがあります。ワインの種類によって飲み頃は異なるため、下記を目安にお飲みください。(熟成するワインを除く)

 

リーズナブルなワイン

お店で並んでいる地点で飲み頃。早いうちに飲む

赤ワイン

2~3年

白ワイン・スパークリングワイン

1~2年


ワインは気温の変化がしづらい冷暗所にて、横に寝かして保管しましょう。コルクを湿らすことで、コルク自身の乾燥が防げてワインの品質が保てます。大切なワインは温度や湿度が管理でき、光などを遮断できる専用のセラーに入れて保管しましょう。

 

日本酒は繊細な味わいや香りが大きな魅力

 

日本酒

 

日本酒の賞味期限と保存方法、古くなった日本酒の活用方法についてご紹介しました。日本酒は味わいの変化も堪能できるお酒ですが、それは後々でも味わえる楽しみ方です。賞味期限がない代わりに目安となる製造年月を確認しつつ、手に入れた後は早めに飲みましょう。蔵元が追及を重ねて生み出した、日本酒の魅力ともいえる本来の繊細な味わいや香りを満喫できます。

その後に今回ご紹介した保存方法を参考にしっかりと保存し、日本酒の味わいや香りの変化を楽しみながら、くつろぎのひとときをお過ごしください。


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