宮坂醸造

継承と変革を繰り返し磨いた味。旨い酒作りはすべて、和やかな食卓のために

〒392-8686 長野県諏訪市元町1-16

長い谷の時代を乗り越え「今」を作った先人の志

戦国時代まで諏訪家に仕える武士であった宮坂家が刀を置き、ここ諏訪の地で酒蔵を開いたのは寛文二年(1662年)。以来数代にわたり諏訪高島城の出入り酒屋を務めました。しかし江戸の末期から明治にかけてその規模は縮小し、長い苦難の時代を経験します。



三代前の当主が急逝し後を継いだ先々代は、酒造りに意識高く打ち込む年若い蔵人を杜氏に大抜擢し、二人で日本中の名門酒蔵をくまなく訪ねる全国行脚を開始します。やがて二人は中国地方きっての銘醸地である広島県西条の賀茂鶴という酒蔵を師と仰ぎ、技術改革を実践していくことで酒の品質が少しずつ向上していったのでした。



そして昭和18年、二人の造る酒「真澄」はついに全国清酒鑑評会で第一位の栄冠を獲得。さらに昭和21年には春の品評会、秋の品評会で一位から三位までを全て「真澄」が占めるという快挙を成し遂げます。これが大きな話題を呼び、多くの研究者が調査した結果、宮坂醸造の蔵から特殊な酵母が発見されました。これが後に七号酵母と命名され全国の酒蔵へ販売されることとなり、「真澄」「宮坂醸造」の名が一躍知られることとなったのです。



しかし先々代は「品評会に出す酒は売り物として造ったものではなく、その成績も誇るべきものではない」として自らを戒め、「その技術で皆様が口にする普通酒の技術をあげなさい」という言葉を遺しました。こうした志が、今の宮坂醸造を形作る基盤となっています。

造り、販売、そしてブランディング。三代にわたる継承の中で磨いた「真澄」

酒造りに人生を捧げた先々代は、しかし商売のことはあまり得意ではなく、名声は上がる反面、販売量はそれほど伸びませんでした。そこへ流通を得意とした先代が戻り営業や配送のシステムを整え、瓶詰め工場の合理化を図り、東京市場を開拓するなどの改革を推し進めると販売量も伸び、真澄を中堅の酒蔵へと押し上げることとなりました。



そして1983年、アメリカ留学と新宿伊勢丹での修行を終えた宮坂直孝さん(現当主)が酒蔵へ戻ると、先々代と先代が育てた酒「真澄」をベースに海外の感覚や流通の現場で知った消費者目線などを取り入れ、季節商品の企画やラベルの刷新といったブランディングに着手します。今ではどこの酒蔵でも販売されている季節商品も、当時酒造業界では前例のないものでした。その後も酒蔵に併設する販売店舗の設置、「生酒」の本格的な販売や、販売チャネルの国際化など、酒造業界の中でもパイオニアとしての改革を次々と実践し、真澄の知名度は確実に存在感を増すこととなったのです。

「私どものメインは、やはり流通業界の方々に売っていただいている商品です。そこへ直接お客様からいただいたご意見を反映することで、より良い商品づくりと流通をシンクロさせていく。それが私のビジネスにおけるテーマとなっています」と宮坂直孝さんは話します。

酒造りを通して実現すべき「4つの夢」

・日本で一番うまい酒を造りたい。

・お客様の食卓を和やかにする酒を造りたい。

・町に賑わいをもたらす酒蔵になりたい。

・日本酒を世界酒にしたい。



これは、宮坂醸造が必ず実現したいと考えている4つの夢です。

「酒なるもの、お客様の食卓を和やかにするのは最大の役割です。人間の幸せの原点となる食卓に、たとえ質素だとしても心を込めて作られた料理があり、心を込めて作られた酒があればいろんな会話が始まっていくものです」そう話す宮坂直孝さん。大人しい香りの酒を醸す7号酵母の発祥蔵として、幸せな食卓の脇役に徹する酒だけを造っていくことを誓っているのだとか。

また欧米では、町に酒蔵があることで世界中から人が集まります。それを見て諏訪にある他の酒蔵へ一緒に飲食店作りやテイスティングができる環境づくりを呼びかけたのが宮坂酒造。この思いに賛同した酒蔵は、諏訪五蔵として地域の酒文化を力強く牽引しています。

そして長い間国際競争を戦ってきた海外のメーカーには品質に関する考え方、売り方、商品の造り方、コミュニケーションの取り方など、日本が学ぶべきことは多いものです。いつか日本酒が世界中の人々に愛される日のために、すでに世界的なお酒となっているワイン、ビール、ウイスキーなどの実践を学び続けています。

おすすめの商品

「真澄 特選」はかつて特級酒の名称で愛された一本。

七号系自社株酵母で醸した、爽やかさと華やかさがバランス良く調和した香り、口に含むと程よい甘みとなめらかな酸味が広がり、後半はドライな印象とともにキレのある余韻へと続きます。

皆様に「うまい」と言っていただける酒造りに全力を注ぐ宮坂醸造のロングセラー。ぜひテーブルにおいて、皆様には楽しく和やかな食卓を囲んでいただきたいと考えています。



・原材料:米、米こうじ、醸造アルコール

・原料米:一般米・長野県産美山錦 他

・精米歩合:60%

・日本酒度:±0前後

・アルコール度数:15%

宮坂醸造のご案内

営業時間

10:00〜17:00 水曜定休

アクセス

電車

JR中央本線上諏訪駅から徒歩15分、タクシーで5分

中央自動車道「諏訪IC」から車で10分

駐車場

普通車18台
店内・駐車場のスペースに限りがあるため、団体様はお断りしています。何卒ご了承ください。

アクセスマップ

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