岩波酒造

綺麗な辛口の中に抱いた旨味。50年の歳月を掛け育んできた酒造り

〒399-0221 長野県松本市里山辺5159

越後杜氏から受け継いだ味を、岩に砕ける波の力強さで守り続ける

西に日本アルプスを望み、東に美ヶ原を擁する城下町、松本市の郊外にある山辺の里が清酒「岩波」のふるさとです。以前、この地域に流れる梓川の支流は狭く、ときに氾濫することもあったと伝わっています。創業者は岩に砕ける川波に自然の力強さを見出し、また地域を象徴するものとして、酒蔵の名へ取り入れました。



岩波酒造の始まりは明治15年。新潟から越後杜氏を招聘し、現在に至る酒の味を造り上げました。

標高の高い松本の冬は寒く、雑菌が少ないために麹は健やかに発酵します。また冷却技術の発達していなかった当時、発酵が進む中で生まれる熱を制御するのにもこの土地の寒さが活かされてきました。そうした酒造りに適した環境で、越後杜氏の生み出した酒には雑味がなく、「綺麗でいて旨味のある酒」として高く評価されました。やがてその酒は信州・松本の「晩酌の定番」と呼ばれ、創業から150年を経た今もなお地域の人々を中心に愛されることとなったのです。

辛口なのに旨味がある。それを最大限に活かすことをテーマとして

近年、日本酒市場で脚光を浴びているのは淡麗辛口の味わい。しかし岩波酒造の現杜氏である佐田直久さんはそこに疑問を感じていました。

「綺麗なことだけを追求した酒はどこか面白くない」

創業以来、越後杜氏がこの蔵で作り出した酒は、辛口でありながらしっかりとした旨味を持つものであり、多くの皆様に「岩波」を愛していただいた理由でもあります。

そして令和を迎え日本酒市場では競争が激化する中、岩波酒造ではある決断をします。

蔵元と杜氏とで話し合いを重ねて導き出した答えは、淡麗辛口の酒は作らないということ。「旨味とキレが調和する酒」という岩波の味を最大限に活かし、一緒に食する料理と酒、相互の良さが響き合うような味わいを追求していくということでした。

そしてその決断は、近年における日本酒のメインストリームに一石を投じることとなり、各地の試飲会やイベントでも「旨味とキレ」を両立させた岩波の味わいは好評を得ていきます。そして2014年以降、長野県内外の鑑評会でも数々の賞を受賞し、全国への出荷量も大きく伸びることとなりました。

こうして、松本の食中酒として近隣の方々に愛されることを願った岩波の酒は、杜氏と蔵元の日本酒に掛ける想いを受け、より広く多くの方々に愛される食中酒となったのです。

世界へ発信できる機会が増えた昨今、提案を軸に日本酒の本当の良さを伝えたい

ここ数年、海外の方々の日本酒人気が高まっています。実際、海外のバイヤーが小さな酒蔵へも訪問しており、そんな状況を活かしていくためにも、今後は輸出に対しても力を入れていく必要があると考えています。特に海外の方には日本酒の情報も非常に断片的に伝わってしまっている部分もあります。相手が本当に求めているものが何なのか、海外の方のニーズを深掘りした上で、幅広く提案できるような体制を作っていきたいとも考えています。

岩波の酒造りの特徴・こだわり

岩波の酒は、自醸造100%にこだわっています。

1973年をピークに年々低下を続ける日本酒の消費量。そんな中で酒造会社が単体で存続することは大変に厳しい状況ではありますが、岩波酒造では自分たちで作った日本酒だけを販売するというポリシーを守り続けています。味・品質に対する責任の所在が自分たちのみにあるということを強く意識し、自分たちで築き上げたブランドのもとでお客様に美味しさと喜びを届け、その声を聞くことで自らの成長の糧とする。こうしたすべてが、岩波酒造の強み、これは自醸造100%でなければなし得ないことだと考えています。



米:目指す味わいを追求するため、銘柄ごとに使う米も変えています。例えば「岩波 美禄 純米大吟醸」では長野県産の酒造好適米である山恵錦を精米歩合49%まで磨き上げます。

また同じ米でも毎年大きさ、硬さ、水分の浸透具合など、微妙に変わります。本当に旨い酒を作るために、契約農家さんを交えた勉強会を行うなど、様々な取り組みを行っています。

岩波酒造のご案内

営業時間

8:30〜17:00

定休日:土・日・祝日

アクセス

電車

JR松本駅から車で約13分

松本ICから約20分

駐車場

あり

設備

トイレ設備あり

アクセスマップ

岩波酒造での取り扱い商品

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